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くも膜下出血とは

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突然の激しい頭痛と吐き気-くも膜下出血とは

くも膜下出血とは:イメージ画像

脳の表面には、くも膜というくもの糸のように細い結合組織の膜があり、脳動脈はその中を通っています。

血圧の高い人や動脈硬化がある人は、脳の表面にある比較的太い動脈が、分岐部で血管壁の障害を起こし、動脈の壁に小さな風船のようなふくらみを形成することがあります。このふくらみは、脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)と呼ばれ、一旦脳動脈瘤が形成されると、長い時間をかけて徐々に増大し、ある日突然破裂します。これが、くも膜下出血と呼ばれる病気です。

くも膜下出血では、大量の血液が急速に脳の表面に流れ込み、頭蓋内の圧が急激に上昇して脳全体を圧迫します。また、破裂した動脈では、血管の内部を通って脳組織に運ばれるべき血液が、血管の外に一気に流れ出してしまい、それにより一時的に十分な血液が脳に運ばれなくなり、脳に強い障害を与えるのです。 脳動脈瘤が脳内に存在するだけでは、症状を呈することはありません。つまり、脳動脈瘤が破裂し、くも膜下出血になってから、はじめて診断されることが多い疾患です。

くも膜下出血の症状

くも膜下出血の症状:イメージ画像

くも膜下出血では、警告頭痛と言われる片頭痛や神経痛に似た軽い頭痛が、出血の数時間から数週間前に見られる場合もありますが、通常は、なんの前ぶれもなく突然に激烈な頭痛で始まります。

いわゆる“突然、今まで経験したことのないような”とか“バットで頭を強く殴られたような”激しい痛みにおそわれ、吐き気・嘔吐を伴い、意識を失ったり、痙攣を起こしたりすることもあります。また、しばしば、後頚部の硬直を伴う強い頭痛が持続します。くも膜下出血では、出血を繰り返すことで、徐々に脳に損傷を与え、段階的に生命が危険となります。初回出血に伴う死亡率は20%程度で、2回、3回と出血を繰り返すと共に、50%、80%と、危険な状態に移行していきます。

このため、さらに出血して症状が悪化しないように、緊急手術にて出血源を処置する必要があります。まれに突然の頭痛を経験した後に、数時間から、数日の経過で、頭痛やその他の症状が全く消失し、何の症状も認めなくなることがありますが、たとえ最初の出血で症状が軽くなったとしても、一旦破裂した脳動脈瘤はほとんどの場合で再出血を起こし致命的となるため要注意です。

突然始まる激しい頭痛があった場合は、その後症状が消失しても、必ず脳神経外科の専門医による診察を受けてください。

くも膜下出血の危険因子

脳卒中の危険因子の他、くも膜下出血は、一般に女性の方が男性より2倍以上かかりやすく、また、家族の中にくも膜下出血を患った人がいる方は危険性が高くなります。
喫煙者では、非喫煙者に比べ、男性で3倍、女性で5倍近く、くも膜下出血になりやすいというデータがあります。しかも、その確率は喫煙量にしたがって高くなります。
また、高血圧症も、くも膜下出血の重要な危険因子のひとつで、喫煙と高血圧の両方の因子を有する方の場合、これらを有しない場合と比べ、15倍くも膜下出血の危険が増すという報告があります。

くも膜下出血による合併症

くも膜下出血によく合併する病態として、脳血管攣縮と水頭症があります。

脳血管攣縮(のうけっかんれんしゅく)

くも膜下出血になってから、4日~14日目に、脳の血管が著しく収縮する現象が脳血管攣縮です。

脳血管は、血液を脳に運ぶパイプラインのような役割をしていますが、一旦これが破れ、血管の周辺に血液が付着すると、その数日後に著しく血管の壁にある平滑筋が収縮すると言われます。患者はくも膜下出血により、ただでさえ脳が損傷を受けているにもかかわらず、さらに脳血管攣縮により脳へ運ばれる血液量が低下するため、危機的な状況になります。

血管の収縮は通常、一過性でありますが、その間に脳梗塞となってしまうこともあり、重度の後遺症を残すこともしばしばあります。この脳血管攣縮については、現時点では予防する手段はなく、くも膜下出血の治療を困難にしている原因の一つです。

水頭症(すいとうしょう)

水頭症(すいとうしょう):イメージ画像

通常、脳は、髄液という透明な液体の中に浮いている状態で、頭蓋内に存在しています。この髄液は一日に、500ccから700cc程度が脳内の脳室というところで産生され、頭蓋内を循環し、脳の表面から吸収されます。

くも膜下出血になると、脳の表面が血液で覆われるため、この髄液を吸収する能力が低下し、このために髄液が少しずつ頭蓋内に蓄積されていきます。この蓄積された髄液がゆっくりと脳を圧迫して、患者はくも膜下出血の数週間後に、徐々に歩行障害や失禁、痴呆症状等を徐々に呈します。これが水頭症と言われる状態です。

くも膜下出血後の患者が水頭症を呈した場合には、頭蓋内に蓄積された髄液を除去し、体の他の部分から吸収させる必要があります。最も一般的に行われているのは、皮下に細い管を通して、頭蓋内の過剰髄液を腹腔内に排出する脳室腹腔シャント術で、比較的安全かつ、有効な手術です。

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