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脳出血(脳内出血)の治療について

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脳出血(脳内出血)の治療

脳出血(脳内出血)の治療:イメージ画像

高血圧性の脳出血(脳内出血)の治療は、出血量が少なく、症状が軽度の場合には薬の内服で治ることが期待できます。 しかしながら、出血量が多く頭蓋内圧亢進を来していたり、血腫による圧迫により神経症状を呈していたりする場合には、緊急に外科手術を行い、血腫を除去する必要があります。

一般的に小脳出血、被殻出血に対しては積極的に緊急手術を施行しますが、視床出血では脳深部にあるため緊急手術の適応となることは少なく、保存的に様子をみることが多いです。こういった患者では、慢性期の血腫がある程度やわらかくなった時期に、神経症状の早期改善を期待して局所麻酔下に、穿刺による吸引除去術を行うことが可能です。

近年では内視鏡技術の進歩により、開頭せず、100円玉ぐらいの穴を頭蓋骨に開けるだけで、大きな脳内血腫を摘出する技術も発展しています。

高血圧性脳出血の予後を左右する因子としては、以下のものが挙げられます。

  • 入院時の臨床状態
  • 血腫の大きさ
  • 脳室内血腫の存在

脳動脈奇形の治療について

脳動脈奇形に対する治療としては、大きく分けて、以下の3つとなります。

  • 手術による摘出
  • 定位放射線外科治療(ガンマナイフ等)といわれる放射線照射
  • 血管内塞栓術

現在のところ根治的治療として確立しているのは1と2です。
3は1と2の治療をやりやすくするために補助的に行われることが多いです。

手術による脳動静脈奇形の摘出

手術による脳動静脈奇形の摘出イメージ画像

出血の予防を目的とした治療としては、もっとも確実な治療手段といえるでしょう。脳動静脈奇形を直視下に切除するため、動静脈奇形自体からの出血を直接的に抑えることができるといった最大の利点があり、現在のところ治療の第一選択といってよいでしょう。

しかしながら、大きな病変や奇形よりの流出静脈が脳の深部に存在している場合には脳動静脈奇形を摘出した後、周辺の脳から術後出血を起こすことがあります。また、手足を動かしたり、言葉を話す等、重要な機能をつかさどる役割のある脳に動静脈奇形が存在していた場合には、手術で摘出した後に、麻痺や失語等の合併症を伴うこともあります。

手術による安全な治療が可能かどうかについては、患者の年齢と現在の状態、脳動静脈奇形の大きさ、動静脈奇形が存在している部位、脳の深部に流出動脈を認めていないかどうか等を充分検討した上で、判断する必要があります。

ガンマナイフによる放射線治療

ガンマナイフによる放射線治療:イメージ画像

近年、低線量の放射線の細かいビームを多方向から同時に照射することで、虫眼鏡の焦点の様に病変部に集中させ、一回で大量の放射線を照射することが可能となり、多くの頭蓋内疾患の治療に応用されています。

この方法では、従来の放射線治療に比べ、線量の集中度が極めて高く、周囲組織への悪影響を最小限に抑えられるため、正確かつ選択的に標的となる病巣を破壊することが可能です。

開頭こそしないものの、目標部位の破壊が可能なため、radiosurgery(放射線を用いた手術、定位放射線外科治療)と呼ばれています。ガンマナイフは最も早くに確立された定位放射線治療を行う装置のひとつです。 2泊3日の入院で、局所麻酔のみで行うことができるため、小さな子供から高齢者まで安全に治療が可能で、最も体への負担が少なくかつ有効な治療法のひとつといえます。

血管内塞栓術

血管内塞栓術:イメージ画像

脳の血管内にカテーテルといわれる特別な細い管を挿入し、脳動静脈奇形の流入動脈までカテーテルを進めてポリビニールアルコールや細い絹糸などの塞栓物質をつめて、奇形への血流を遮断する方法です。

この治療のみで動静脈奇形が完全に閉塞させられる可能性は少なく、一旦閉塞させても長期的には再開通する可能性が高いため、現在では単独で治療に用いられることはほとんどありません。大きな脳動静脈奇形の摘出手術前に、出血を抑えたり、手術の合併症を減らすために用いられる方法です。

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